YAECA

一枚の布がある。それを拡げ、体を包む。拡げた布は、空気を取り込む。だから人は、布とともに、布の取り込んだ空気にも包まれる。柔らかく、温かい。やがて、布をほどく。すると、いつでも布は、一枚の布に戻る。まるですべて忘れてしまったかのように。それでも、人の呼吸とほっとした気持ちを吸い込むのだろう。次に身を包むとき、布は、さらにふっくらと優しさを増している。